第246話

「今日は何するの?」朝食をとりながら私は訊いた。「観光客ごっこ?」

「あとで何人かに会う」アシュトンが言った。

「パリに知り合いがいるなんて知らなかった」

アシュトンはちらりとこちらを見た。「誰に会うのか、気にならないのか?」

私は当て推量で言う。「仕事の知り合い?」

「まあ、そんなところだ」

「やっぱり」

「それだけ?」

「ん?」タブレットから目を上げる。最新のジュエリーショーの報道をざっと追っていたところだった。

「もし俺が嘘をついたら?」声は穏やかだったが、目の奥で何かが渦を巻いていた。怒りではない。だが、何でもないというわけでもない。

「どうして嘘なんかつくの?」

...

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